【がんばる人応援隊】 ~RED、中島のパン屋さん『tetote』へ行く~
新企画「がんばる人応援隊!」。
この企画は愛媛県内で頑張っている人のもとへ押しかけ、応援してこようとというものです。もちろんそこへ行くまでのバリアフリー調査も兼ねています。
社会のバリアフリー化が進む中、これまでどちらかというと応援される側だった車いす使用者が、今度は頑張っている人や社会を応援する側にまわってもいいのではないか、それがまた新たなバリアフリーや共生社会につながるのではないか?
そんな想いも込めていますが、基本は楽しみながら、時には冒険気分を味わいわいながら、ほぼ遠足やんね★
今回はCIL星空代表の井谷さん(おでかけイーヨ調査ではIt’s tannyさん!)に頑張る人応援隊REDとして行っていただきました。
井谷さんについてはいずれバリアフリーインタビューにも登場してもらおうと思っているのですが、障がい者の自立や社会のバリアフリー促進で全国を(時には世界を)飛び回っている方です。現在はコロナ禍の影響で松山にいることが多いので、頑張る人への応援(対談)にはまさにピッタリ!
応援に向かったのは忽那諸島中島の熊田というところで今年(2021年令和3年)6月に「しまのぱんかふぇtetote」というパン屋さんを始めた山田さんです。
山田さんは京都出身で大阪に在住していたのですが、「大好きな瀬戸内海でパン屋をやりたい!」との想いから定年を前に早期退職されました。そしてパン作り教室に通い、起業志望者を募集していた松山市の地域おこし協力隊に応募し、2018年4月から中島に移住してきました。(詳しくは「えひめ暮らしネットワークの「セカンドライフの挑戦。島でパン屋、めざします。」を参照ください。)
ということで早速井谷さんの旅日記を! (※時々編集で説明を入れています。)
中島は、時間に追われている僕にはまるで時間が止まっているかのように感じました。
すれ違う人が会釈をする。そんな素敵。
中島は船で一時間の離島ですが、フェリーはとても快適でした。
船は何種類かあるみたいで(※1)
行きはエレベーターが付いていて一般の人と同じ所で過ごせました。
車椅子のスペースやテーブルもバリアフリートイレも完備でした。
※1)中島行きのフェリーは三隻あるようです。この日は行きは三津浜港から大浦港まで「ななしま」で、帰りは神浦桟橋から三津浜港まで「じんわ」に乗りました。
中島でいきなり感動したこと。
バスがノンステップでした。(※2)
(※2中島汽船(株)には3台バスがあり、2台はノンステップバスです。バスの便は多くないので車いすの方はあらかじめノンステップバスかどうか確認しておくことをおススメします。)
僕が乗ろうと近づくと運転手さんが「電動ですか?」て言ってちょっと戸惑っている様子でした。
どうもいつもは車高を下げて車いすをウィリーさせて乗せていたようです。
「スロープ出してください」と言ったら快く準備してくれました。
しまい方にちょっと戸惑っている様子でした(笑)
運転手さんはとてもいい人でしたね。運転も僕のことを配慮してくれたのか、とてもなめらかでした。
(編集部注 この日は大浦(港)からバスに乗り、長師まで行き、まずは姫が浜にある松山市の施設「ほしふるテラス姫が浜」のバリアフリー調査を行いました。バスの便数は限られているので島で唯一のタクシーで熊田にあるしまのパンカフェtetoteへ。)
そのあと予約していた福祉タクシーを利用しました。
車種はトヨタのラクティス。後部座席が跳ね上げ式で、残念ながら僕の車いすではスペースが狭く乗れませんでした。
これが島で唯一の福祉タクシーということなので(※3)、介助者に頑張ってもらい、車椅子から助手席に移りました。
海外も何度か行かせてもらっていますが、毎回もーっと困った事態に直面するので、これくらいは僕も介助者も余裕でした♪
これぞ旅。これぞ運動。
楽しいネタ作り。
とはいえ、運転手の矢野さんがめちゃくちゃいい人でよく喋る喋る。面白かったですね。
たくさん島のことを教えていただきました。
観光案内としても是非ご利用ください♪
(※3 後から分かったことですが、他にも介護タクシーがありました…。でもこれも旅! 運転手さんが当たりということでOK!!)
そしていよいよ島の熊田という所にある、しまのパンカフェtetoteさんに到着です。
tetote(※4)
お店の名前の通り、訪れた人が温かい気持ちになるようなパン屋さんでした。
(※4 「手と手」、そして「手作り」という意味を込めてtetoteという名前にしたそうです。)
お店は「荷車を押すお年寄りために」と、ご自分で地面にレンガを敷いて段差を解消。(※5)
大工さんと相談されたおしゃれ部分と、誰もが訪れやすく考えて作られた手作りの部分とがミックスしているお店でした。
(※5 普通の車椅子サイズなら通れます。)
奥さんと二人で営まれており、まだ開店したばかりでパンの種類は多くなかったですが、どれもとても美味しく、これからメニューが増えていくのがとても楽しみです。
オーナーの山田さんは早期退職されてパン屋さんを開店されました。
地域おこし協力隊の卒業生らしいですが、地域との摩擦もなく、中島をとても愛されていました。
(※6 母屋に上がって食べることもできます。 古民家の落ち着いた空間ですが、古民家ゆえに段差があります。)
想いのある人が心を込めて焼いたパンはとっても美味しかったです。
帰りは再度バスで。また同じ運転手さんでしたが、2回目なのでスムーズに対応してくださいました。
たまに僕が行けば、良い研修になりそうです(笑)
帰りのフェリーは往きとは少し違って、エレベーターはなく一般の人と同じ所ではなかったのですが、
広い個室が用意されていて快適に過ごすことが出来ました。
(あくまで主観ですが、ちょっと閉塞感があって隔離されている感もありました。)
松山に住んでいると、攻めなければ不便なく暮らせます。
今日はまるで昔の日本に来たかのような…地方のバリアフリーについて考えを改める良い機会になりました。
今回は離島と言うステージでしたが、松山から車で30分も走れば同じような景色があります。
介助制度もそうですが、移動や建物も地域生活をするためにはバリアフリーは必須です。
日本中どこにいても同じように地域生活ができるように動き続けます!
いかがでしたでしょうか?
がんばる人応援隊は、頑張っている人を応援すると同時に、お互いにエールを送ります!
愛媛がよくなる! 面白くなる!!
ロケーション&アクセス
しまのぱんかふぇtetote
松山市熊田甲696
TEL:089-997ー1536
営業時間:11:00-16:00
定休日:火曜日と水曜日 その他お休みのこともあり。
島のパンカフェtetoteインスタグラムはこちらから
〇交通機関
バス…熊田バス停から100m
三津浜港から大浦港までフェリーで1時間~1時間15分(途中の停泊港による)
大浦港から約5キロ 海岸沿いを通ると約10.5キロ
タクシー…しま交通タクシー
近隣のバリアフリートイレ
時間の都合上調査できませんでした。
記事作成2021年9月、10月
訪問日:2021年(令和3年9月24日)
応援隊:井谷重人さん(It’s Tannyさん)とAllstars
文: 井谷重人さん(It’s Tannyさん)
編集:Eikyo