【柴へんろ】① 「51番札所 石手寺」参拝
連続WEBドキュメンタリー
目次
沙門明寿誕生!
ここに一人の沙門あり。
その名を明寿(みょうじゅ)、通称柴ちゃん。
彼は愛媛で最もヘビーな車椅子のユーザーであり、その重さは何と300キロオーバー!通称フェラーリF3
彼はF3に酸素、吸引機、愛飲するコーヒー牛乳、その他諸々の小道具を積み込み、スマホにブルートゥース仕様として親指一本で操作し、どこへでも行ってしまうというやんちゃな男…。
そんな彼のもとへある日一通のメールが届きます。そこには
「業務命令:般若心経を覚えなさい!」と書かれていました。
「なぜ?」と返信したところ、
「柴へんろ」との回答が返ってきたのでした。
そこで彼は般若心経を覚え、社会のバリアをフリーにするために、各お寺のバリアフリーの調査も兼ね巡礼の旅へと出かけることとしたのでした。
自身の身体的制約、お寺の物理的バリア、そして予算ほぼなしと、3Kならぬ3制限の下
果たして彼は88ヶ所を回ることができるのでしょうか???
連続WEBドキュメンタリー「柴へんろ」、とりあえず松山編(※1)始まります!
※1)松山編は、基本松山市駅からバス、もしくは電車を使って巡礼します。(ちなみに彼の車椅子はフル充電で15キロぐらい動くのではないかと思われます…。)
柴ちゃん日記
いきなり難関に遭遇し、先が思いやられる石手寺編!
こんにちは、沙門明寿こと、柴ちゃんです。
ついに始まりました「柴へんろ」。(業務命令が出て、渋々と…(^-^;))
記念すべき一回目は、四国八十八か所51番札所の石手寺へ行ってきました。
松山市駅からバスに乗り行ったのですが、早速「お遍路廻られるのですか?」と声をかけられ少し実感しました。
石手寺へ到着をし、中に入ろうとするといきなりのバリアでした。
正面からは段差がかなりあり、僕の車椅子では通れません。そのため正面西側にある信徒さん用駐車場のところから行こうとしたのですが鎖がかけられ僕の車椅子幅ではギリギリ…。
それでも何とか中に入ることができ、参道へ行こうとするにもまたしてもバリアが…。
参道へ上がるところに15㎝程の段差がありました。どうにかして登ろうとするも、下が土だったためスリップをして上れませんでした。
普通の車椅子ならば介助者が前輪を上げることができれば上がれるのでしょうが、僕の車椅子は300キロはあるのでとてもじゃないけれどできません…。
何か方法はないかと考えていると、石が並んでいて、その先は参道へと繋がっていました。そこで思いついたのが、片方の車輪をその石に乗せて進むという方法です。
やってみると片方は上ったのですが、もう片方が上れなく困っていると…、お店の方が出てきて手伝ってくれ、何とか無事に上ることができました。ありがとうございました!!
しかしながら石の参道はガタガタで、車いすを操作する指が何度も落ちてしまい、その都度ヘルパーさんに直してもらって奥へと進みました。昔からある参道なので仕方ないかな…。
ちなみにこの参道を通らず脇道を通って正面門(二王門)まで行く方法もありますが、途中で参道に上がるようになりそこには5~10㎝ほどの段差があります。
二王門へ到着するとやはり昔からの建物なので、階段と15㎝くらいの敷居(?)がありました。バリアフリーにしてといっても国宝ですからね…(^^;)。
でも門の左脇がスロープとなっており、そこを通って境内まで行くことができました。
境内は砂利でしたが、なんとか動くことができました。
境内にある三重塔、本殿、鐘楼、仁王門はすぐそばで見ることができました。これらの多くが鎌倉時代の建築物で国重要文化財や国宝です。よく見ると迫力満点でした!
残念ながら本堂へは階段のため行くことができませんでしたが、ちょうど階段に手すりを付ける工事をしていました。(スロープが設置されるのはいつのことやら…。)
本堂には行けないので階段の下から般若心経を唱えることにしました。
ヘルパーさんに吸引をしてもらい、いざ読経!となったのですが…、そこでまた問題が…。
先達さんの唱えるスピードがあまりに早くついていけませんでした。(先達さんは般若心経は生命のリズムだ!と思っているようなので、スピードを緩めてくれません…。)
それでも何とか参拝を終え、納め札をヘルパーさんに入れてきてもらい、無事にひとつ目の御朱印を頂くことができました。
一回目からかなりのハードではあったけれど、なんとかお参りすることができてひと安心しました。
これもお大師のお陰でしょうか?
この先どんなバリアがあるのか、果たして無事にお参りすることができるのか、ワクワクドキドキな気持ちです。
最後に第1回目の参拝を終えて一句
秋晴れに般若心経苦戦かな 沙門明寿
to be continued…?
ということで、第1回目の柴へんろでした。
この先柴ちゃんの心境がどう変わっていくのか、俳句がどう変わっていくのか
それより以前に
そもそもこの企画はどこまで続くのか!?
柴ちゃん日記を交えてお送りしたいと思います。
ロケーション&アクセス
第51番札所 石手寺
住所:松山市石手2-9-21
電話:089-977-0870
石手寺のホームページはこちらから
交通機関
伊予鉄バス「石手寺前」停留所からすぐ
伊予鉄道市内電車「道後温泉駅」から約1.3キロ(平坦な道です。)
バリアフリー情報のコーナーに石手寺のより詳しいバリアフリーについて書いています。
訪問時の情報です。改修等で変更されていることがあります。
訪問:令和3年(2021年)10月
調査モデル:Sammy
編集:IncluDe(インクルデ)