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【柴へんろ】第4回 五十三番円明寺

#遍路 #バリアフリー

みなさん、こんにちは。沙門明寿こと柴ちゃんです。
「柴へんろ」4ヶ寺目は、第53番札所 須賀山正智院 円明寺に行ってきました。

今回は松山市駅から運転免許センター行のバスに乗り約30分、(JR)和気駅前で下車し、そこから徒歩約30mのところにありました。この日(8月13日土曜日)は猛暑の真っ盛り、空気が熱い!と思えるほどで、わずかな移動でも汗をかきました。
それでもちょうどお盆入りということもあり、仕事もお盆休み(夏休み)のため、山門の前にある駐車場には県外ナンバーの車も止まっていました。

さて円明寺は山門横が車いすでも通れるようになっているのですが、そこには7㎝程の段差はあります。けれどもそこを乗り越えるとほぼフラットな感じで本堂まで行くことができます。中庭も広くウロウロすることができます。

前回の繁多寺は本堂の上まで上がることができ収め札、収め札を入れることができましたが、今回は残念ながらお賽銭入れまでは行くことができませんでした。本堂階段の下でお経を詠みました。

お経を詠み終わって気づいたのですが、円明寺の本堂横には閻魔堂があり、閻魔大王が祀られていました。

閻魔様と言えば、地獄の大王であり、生前の善悪を裁く怖い人(?)とのイメージですよね。何故こんなところに祀られているのかと思って(ネットで)調べてみると、日本仏教においてはお地蔵様と同一の存在と解され、地蔵菩薩の化身ともされているのだそうです。お地蔵様=閻魔様、なんだか不思議な気がします。

本堂に続いて大師堂での読経を終え、御朱印をもらいに納経所へと向かいます。納経所までも平坦で車いすで行くことが可能です。けれども入り口は僕の車いすではギリギリでした。それでも中に入ることができ、直接お願いすることができました。

さて、円明寺には閻魔堂ともうひとつ珍しいものがあります。先達さんに呼ばれて、狭い場所を通り抜けると、そこには「キリシタン灯ろう」がありました。隠れキリシタンの信仰に使われたのでは?とのことです。

そこから戻ろうとするとタイヤが木の根っこにはまり、ヘルパーさんに助けてもらわなければなりませんでした。お互い苦労ある身です…。

最後に車椅子使用者の苦労をもうひとつ。
境内にトイレがあり、車いすマークもあるのですが、トイレに行くには15㎝程の段差をクリアしなければなりません。そのため電動車いすの方は厳しいかもしれません。また女子トイレの中に車椅子の人も使える広いスペースのトイレがあるそうなのですが、男の人はちょっと使いづらいかな…。

無事お参りを済ませ、帰りも同じバス停からバスに乗ったのですが、バス停には歩道などがないため十分に気を付けてください。(バスは30分に1本程度です。)「(JR)和気駅前」という停留所名だけあり、和気駅もバス停から30mほどのところにありますが、無人駅です。(もしJRで行くなら前日までに電話連絡が必要です。行けるかな???)

今回はバスに揺られてのお遍路でしたが、バス停からも近く、お寺もほぼバリアフリーなのでとても行きやすかったです。ちなみに52番の太山寺は2.6キロほどの距離なのですが、先達さんによると松山市内のお遍路で最難関とのことで…、松山お遍路の最後となるようです。

最後に一句
御朱印と筆に願いし滲む汗

ではまたお会いしましょう。

心洗い、心磨きの柴へんろ  沙門明寿


円明寺の詳しい情報はこちらにあります。


柴へんろ第4回
調査・撮影 2022年(令和4年)8月

編集:IncluDe(インクルデ)