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【伊予市】五色姫伝説と郡中ぽてとの旅!

#日帰り旅行 #女子旅 #瀬戸内海 #街歩き #伊予市 #五色浜

◆ 駅近で伊予市が分かる憩いの場『手作り交流市場 町屋』

松山市駅から伊予鉄郊外電車「郡中線」に乗り電車に揺られること約30分。終点の郡中港駅までやってきました。今回は伊予市郡中周辺を探索してきたので紹介したいと思います。名付けて『五色姫伝説と郡中ぽてとの旅!』

郡中港駅で電車を降りて、まず目に着くのが道路をはさんで向かいにある『手作り交流市場 町屋』です。かつて伊予市に栄えた数寄屋風の建物に暖簾がゆらゆらと風に揺られながら私を迎えてくれました。


「町家に来れば伊予市が見える!」

というのがコンセプトとのことで、道の駅のように地元の様々な農産物や加工品が販売されているのはもちろんのこと、特徴的なのはさまざまな人たちが集まってお店を開いているところです。それも個性的なお店がいっぱい!お店をのぞいてみるだけでも楽しいです。更にお店の人はとてもフレンドリーで、今回初めて訪れたにもかかわらずついつい話し込んでしまいました(笑)。まさに伊予市のモノもヒトもここにあり!です。

通路はところどころ狭くなっているところもありますが、車いすでも移動可能です!もちろん多目的トイレも設置してあります。公園広場ではライブや様々なイベントが開催されるそうです。(この日は町家ライブやってました!)

くつろぐ、食事をする、お土産を買うなどいろいろできるので是非立ち寄ってみてください。

◆ 瀬戸内海!五色浜!!

町家でお昼を過ごした後、港方面に向かいました。信号を渡り商店街の一角を通り、しばらく歩くと見えてきたのはのどかな漁港風景。漁港近くにある五色浜神社に立ち寄り、そのまま五色姫通りを進んでいくと石の燈籠のようなものが…。案内板を見てみると「萬安港旧灯台」といい、明治時代の終わりまで防波堤の先端にあったそうです。

そして旧灯台と共に現れたのが広々とした空間(駐車場)。その向こうには大空と瀬戸内海が広がっています!やって来ました五色浜!!

◆ 悲しき『五色姫伝説』

「五色浜」というとなんだか美しいイメージをしてしまいますが、実は…。
まずはその名前の由来となった『五色姫伝説』を紹介したいと思います。この伝説は平安時代まで遡ります。

源平の戦いで敗れた平家。それから間も無くして、五人の美しい姫たちが郡中の浜辺に流れ着き、そこに小屋を建て、村人と接することもなく静かに暮らし始めました。

ある日、一番上の姫は浜辺で濡れた背を赤く光らせながら這う一匹のカニを見つけました。姫はその赤い背から平家の赤い旗を思い出し、同時に壇ノ浦の悲しい悲惨な過去を思い出したのでした。

すると急に表情が変わり血相を変えて源氏の白い旗を意味する白いカニを見つけて踏みつけてやると言い出し、四人の妹たちに白いカニを見つけてくるように言いつけたのです。

四人の妹たちは姉の言いつけ通り、白いカニを朝から晩まで一生懸命探しましたが、見つけることが出来ませんでした。仕方なく四人の妹たちは、カニにおしろいを塗って白いカニにして持って行きました。姉はその白いカニを見て冷ややかににっこりすると同時に、それを手洗い鉢に投げ入れました。するとおしろいが溶けて、もとの赤いカニに戻ってしまいました。

姉は激怒し、横にあった太刀で一番下の妹を切りつけました。あまりの恐ろしさに残りの三人の妹たちは逃げ出し、海に身を投げて死んでしまいました。

姉の姫は、死んだ妹の屍を抱いて「憎い源氏を討ち取った」と叫びながら海の中に飛び込んだのでした。

こうして亡くなった五人の姫たちが、それぞれ赤・白・青・黄・黒の五色の小石になったのだそうです。

五色姫海浜公園内にある『かに広場』というエリアには、この五色姫伝説にちなんだ5色の石が設置されています。

◆ 南国ムード漂う五色姫海浜公園

悲しき物語が残されている五色浜ですが、時は流れ、時代は変わり、五人の姫たちの傷を癒すものは「平和」であり、「人々の笑顔!」です。

五色浜周辺は平成8年(1996年)に『五色姫海浜公園』として整備され、南国ムード漂うヤシの木が植えられ、瀬戸内海を見渡せる景色が印象的な伊予市の観光スポットとなりました。

毎年夏は海水浴場とビーチバレー、秋は愛媛名物「いも炊き」会場として賑わいを見せているそうです。

車いすのままでも公園の端から端まで行くことができ(※1)、大好きな海を眺めるために桟橋の先まで行ってきました!
瀬戸内海はとても穏やかなので、すごく見ていて心が落ち着くんですよね。時間を忘れてしまいそうになります。今度は夕日を眺めてみたいです。

穏やかな海、白い砂浜。

「砂浜にも行けるのかな?」と考えていると。。。なんと。。。
砂浜に繋がっている坂道を見つけました!!

ワクワクしながら、砂浜へ向かい電動車いすで突き進んで行ったのですが。。。
砂浜を数センチ進んだだけで前輪が空回りするという現象に陥りました。

わたしの想いは、砂浜数センチで介助者に助けてもらい幕を閉じました…。
皆さんも砂浜へ行きたいと思った際には、くれぐれも付き添いがいる時にチャレンジしてみてくださいね。


(※1)五色浜公園から入ろうとすると橋の手前が鎖で施錠されています。車イスの方は横側の鎖はたるみが取られており、鎖を持ち上げれば通ることができます。もしくは南側の駐車場から入るようになります。

◆ 古き街並みを感じられる「庶民が築いた町 郡中」

さて町家から五色姫海浜公園へ向かう道中に商店街がありましたが、その商店街を歩くことにしました。

この商店街は、江戸末期、萬安港(現伊予港)の完成と共に交易が栄え、醸造・油・金融・陶器・海産物・和紙・製材業などの産業が発展し、独特な町人文化が形成されたそうです。現在も当時の建物がところどころに残されており、風情ある町並みとなっています。

その一つとして、国の有形文化財へ指定されている『宮内小三郎家主屋』があります。
江戸時代元文3 年(1738) に建てられたもので、当時宮内家は屋号・灘屋を許され、町年寄をつとめ、幕府役人の宿となり、酒造を営み、大洲和紙の貿易・販売を公認されていたそうです。

現在この母屋は『ミュゼ灘屋』と名付けられ、伊予市のコミュニティ文化発信基地として映画上映やミュージアム、コミュニティスペースとして利用されています。残念ながら段差があるため車椅子では中に入れませんが、玄関先から中を見ることはできました。

商店街はとても道が広くて車いすでも歩きやすいです。ただ車も通行するので注意してくださいね。

◆ 創業50年老舗の和菓子屋『こんだ』

しばらく郡中商店街のメインストリートを歩き、細道に入りました。小道には昭和な風景が残っており、平成生まれながら懐かしさが感じられました。電車の線路を超えて、そのまま進むと大通りに出ます。

さて、伊予市の郡中に来たら必ず食べてほしいお菓子があります。それは、『郡中ぽてと』!
その名の通り郡中の銘菓です。その「郡中ぽてと」を製造しているのが、老舗の和菓子屋『こんだ』です。

早速、お店に入り、美味しそうな和菓子がいろいろとある中、黄色い包紙に入っているお目当ての「郡中ぽてと」を発見!

店主にお話を伺うと、郡中ぽてとのほかにも五色姫伝説をモチーフとして作った『五色の願い石』もあるとのこと。またお店で一番人気は『ふまんじゅう』であることなど教えてくれました。

◆Megの食レポ〜郡中ぽてと編〜

それでは今回のお目当て『郡中ぽてと』をいただきます!
一口パクっといかせていただいた感想は、

とてもしっとりとした食感で甘さが控えめで食べやすい!!

食べる前は、スイートポテトのようなお菓子なのかなと思っていたのですが、マドレーヌのようなしっとりとした生地の中にしっかりサツマイモの味をした餡が入っているため、そこで甘さを調整しているのではと感じさせてくれます。
また、口の中でパサつきもなく、とても食べやすい食感となっている一品でした。

郡中に来た際はまた食べたいと思います!


「こんだ」はかつては商店街にお店を構え、卸売をしていたそうです。(商店街も)昔は賑わっていたこともあるだろうとのことですが、大型スーパーが近くにできたことから人通りが徐々に減ってしまったとのことです。けれども『町屋』ができてから人の行き来が増えてきたように思えるとのことでした。

町家、ミュゼ灘屋と言い、この歴史ある商店街がまた独特の雰囲気ある通りとして賑やかさを取り戻してもらいたいですね。

◆ さいごに

今回五色浜周辺を歩いて回り、すごく時間がゆったりと流れる一日を過ごすことができました。
それは、昔から残されている町並みやとても穏やかな瀬戸内海を見渡せるスポットがあるからかもしれません。

疲れてひと休みしたいな~って思ったときには、郡中の町並みに触れて癒されてみてはいかがでしょうか。
そして、五色姫伝説の姫たちとされている五色の石を五色浜で探してみてもいいかもしれませんね。

その際もしあなたが車いすの方なら、くれぐれも車いすのタイヤが砂浜にめり込まないように気をつけてください^^;


手作り交流市場町家の詳しい情報はこちら

五色姫海浜公園の詳しい情報はこちら


訪問時の情報です。改修等で変更されていることがあります。

訪問日:令和4年(2022年)9月

レポート:Meg

編集:IncluDe(インクルデ)