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【柴へんろ】50番繁多寺参拝

みなさんこんにちは。沙門明寿こと柴ちゃんです。少々ご無沙汰しておりましたが、「柴へんろ」再開です。
今回は50番札所 繁多寺に行ってきました。前回は49番札所浄土寺を参拝しましたが、浄土寺から50番の繁多寺までは約2キロの距離です。5月の気持ちの良い気候ということもあり、今回は浄土寺から歩き遍路をしてみることにしました。

車の通りの多い道路からわき道にそれ、へんろ道を歩いて行くとところどころにかわいい案内板があり、それを目印に歩いていくと迷うことなく進むことができました。しかしへんろ道は農道であることも多く、そのため道は細くアップダウンがあったり、ガタガタ道もあったりしました。僕の(電動)車いすでは行けましたが、手押しの車いすの方は少ししんどいかもしれません。それでも自然を体で感じたい方は歩き遍路をお勧めします。途中へんろ道を行くか舗装された道路を行くか迷っていると、へんろ道沿いに住む方が以前車いすで通った人がいるよと教えてくれました。

歩くこと約30分。上り坂を登っていくと繁多寺山門に到着しました。山門の横は車止めとなっていますが、スロープ状になっているので車椅子はそこから上がっていくことができます。スロープの入り口は少し狭くなっていて通りにくいですが、車止めのロープを外すことができるのでそちらを通ることもできます。(もし足腰の悪い方がおり本堂近くまで車で行きたい方は、納経所の方に伝えると許可をもらえるそうです。)

山門を通り抜けると境内中庭となっていますが、砂利のため車椅子では進みにくいです。けれども向かって右側の方は土で固められており、そこを通ればスムーズに動くことができます。本堂に行く前に最後の坂(スロープ)があるので、一休みと思い景色を見渡したところ、松山市内が一望でき心が癒されました。

参考までに中庭から納経所前の舗装された道を通って本堂に行こうとすると、一見階段しかないように見えますが、右端にスロープがあります。ただし砂利道を横切るようになります。また最後の坂(スロープ)は傾斜がとてもきつく、ヘルパーさんに手伝ってもらってなんとか登ることができました。もし一人で行かれるならばどなたか(参拝者)に声をかけて押してもらうのがいいと思います。

本堂、大師堂、そして歓喜天さま(←繁多寺には愛媛では珍しい歓喜天さま〈聖天さま〉が祀られているのです!)を参拝し終わり戻ろうかと思った時、本堂の横に何やらスロープらしきものを発見しました!これはっ!?と思い近づいてみると本堂へと延びるスロープがありました!!

ただ少々年季が入った木でできているスロープであり、300kgある僕の車いすでも行けるのかな?と思ったものの恐る恐る登ってみました。多少のたわみがあり緊張しましたが無事に昇ることができ、初めてお賽銭を入れるところまで行くことができました。しかし、降りるとき最後のスロープのところで、僕は車いすの操作を誤ってしまい、脱輪してしまい転倒寸前になりました。ヘルパーさんの力を借りて何とか立ち直ることができましたが、みなさんも気を付けてくださいね。

お参りが終わった後は納経所へ御朱印をもらいに行きます。中庭向かって左側の坂道を上がっていくと、窓口まで行くことができました。
納経所まで車いすで行けたのは初めてだったし、お寺の方もとてもやさしく話しかけてくれて僕の心はとても癒されました。ちなみにお寺の人と話しをして分ったのですが、本堂のスロープはもともと先代のご住職の足腰が弱ったので作られたそうです。もうかれこれ5年ほど使っていないそうです…。今度点検しておきますとのことでした。

今回はへんろ道、スロープといろんなハプニングがありましたが、冒険気分も味わうことができ、そして何よりお寺の中は道も人もバリアフリーでした。車いすでいくお寺でお勧めだと僕は思います。ぜひお参りに行って癒されてほしいと思います。

最後にお決まりの一句
初夏の風お寺も人もバリアフリー

これで49番、50番、51番と3ヶ所参拝完了しました。残り85ケ寺…。次はどこのお寺に参拝するのでしょうか?
次回をお楽しみにー。


おまけ

脱輪直前の写真です…。


繁多寺の詳しい情報はこちらにあります。


柴へんろ第3回
調査・撮影 2022年(令和4年)5月

編集:IncluDe(インクルデ)